傾斜のある敷地に建つ物件と住宅ローン

平面地図では見えない「傾斜」

「現場を見ずに物件の評価をしてはいけない」と言われる理由の最たるものです。地図では平坦に見えても、現場へ行くと崖や窪地、坂や石段、川や水路など、物件の評価に影響を及ぼすような環境が見えてきます。

傾斜のある土地は法地(のりち)や崖地(がけち)と呼ばれます。崖の定義に統一した明確なものはありませんが、宅地造成等規制法施行令1条2項は、「この政令において崖とは地表面が水平面に対して30度を超える角度をなす土地で硬岩盤以外のものをいい、崖面とはその地表面をいう」と定義しています。

土地価格批准表による評価

土地価格比準表では傾斜度15度以上は利用不可能、それ以下は利用可能な崖地に分けて格差率を示しています。それによれば、傾斜度15度以上だと20~50%、15度未満は10~30%程度の減価をする可能性があります。

平地であれば土地の造成も簡単ですが、傾斜地は用途が限られます。南に面して眺望が開け心地よいと感じる人もいますが、一般的には利用度において劣り、流通性では平地に比べ悪くなるでしょう。

法地・崖地に住宅を建てる場合には、流通性に加え、自然災害の突発的リスクも考えて、当該地域に過去の災害の痕跡はなかったか、現状地盤の安定性はどうなのかを十分に調査する必要があります。

法地・崖地と住宅ローン

法地や崖地を担保として住宅ローンを組む場合には、流通性に加え自然災害の突発的リスクも考えて、当該地域に過去の災害の痕跡はなかったか、現状地盤の安定性はどうか、十分に把握しておく必要があります。

いざ建築するとなった際に、人工地盤を築かなければならなくなって資金計画が大きく増えたり、担保評価の減価で借りれる金額が大きく減ったり等、想定外のことが起こりがちであることも念頭に置いておく必要があります。

傾斜のある土地に【フラット35】を利用して住宅を建築する場合の<耐久性基準>

土台等の木部の腐朽を抑制するためには、基礎を高くし、雨水のはね返りや地面からの湿気による影響を抑えることが重要です。このため、基礎の外周部分全てにおいて、地面から基礎上端までまたは地面から土台下端までの高さを40cm以上確保する必要があります。

A.B.I staff-EBINA

【フラット35】取扱金融機関代理店/A.B.I(株) 金融法人部 所属スタッフ 

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