不整形地に建つ住宅
敷地の有効利用の面では不利になりがち
整形画地( 整形地 )とは、正方形、 長方形、 平行四辺形など、 整った形を持つ土地をいいます。 不整形画地( 不整形地)は、この整形画地に対比する言葉で、複雑な地形の土地の総称です。 凸型地、 鍵型地などがその例であり、面積の大小にかかわらず、地形の複雑さにより区分されます。
「 土地価格比準表 (政府刊行物)」では、不整形の程度について、次のように分類しています。
(補正率は住宅地の場合)
① 普通 | 標準的画地と、ほぼ同じ形状の画地 補正率:1.00倍 |
② やや劣る | やや不整形の画地 補正率:0.95倍 |
③ 劣る | 不整形の画地 補正率:0.90倍 |
④ 相当に劣る | 相当に不整形の画地 補正率:0.85倍 |
⑤ 極端に劣る | 極端に不整形の画地 補正率:0.70倍 |
これは、標準的な画地で建てられる建物が、当該画地ではどの程度同様に建てられるかにより判断されるものです。不整形地だと、建物を鍵型にしたり凹型にしたりと建築が大変です。
はり柱や梁が増えてコストもかかります。敷地の広さを有効に利用できないわけで、その程度により補正されます。
つまり、面積だけで評価するのは危険であり、敷地の形状を実地に検分して評価しなければなりません。土地の評価はその有効利用性にあり、それにより市場価値が決まります。
不整形地に立つ建物の担保価値
上記の通り、不整形地は、土地を安く手に入れることはできても、建物の建築コストがかかり(中古で売却するときには、建物は通常の評価しかされない)、総体の価格は安くなります。住宅を売却する際は、ローンの残債が、期待したほど回収できないおそれがあります。住宅ローンを組む際の担保評価も同様に厳しくなります。