最低敷地面積と住宅ローン

行政の条例違反物件

建築基準法の建ぺい率や容積率のチェックだけでは防げない行政の条例違反となる物件が存在します。

用途地域内では、当該地域における市街地の環境を確保するため、必要な場合に限り「建築物の敷地面積の最低限度」を定めることができます(都市計画法8条3項2イ)。

最低限度は200㎡を超えてはならず(建築基準法的条の2の2項)、この制限により不適格となる既存の敷地については、制限が適用されない場合もあります(同3条の2の3項)。

敷地面積に最低限度が定められた区域では、土地面積がこの最低限度以上でなければ、原則として建物の建築はできません(同3条の2の1項)。

最低限度の例外

建べい率の限度が80%とされる地域で防火地域内にある耐火建築物(同3条1項1号)や、周囲に公園など広い空地を有する場合、特定行政庁が用途上構造上やむを得ないと認めた場合などは、例外的に建築が可能です。

違反建築物件の排除

敷地面積の制限は、重要事項説明書で必ず説明しなければならないこととして、不動産業者にも周知されているはずです。しかし、地価が高い地域などに最低敷地面積の条例がある場合、「条例を守ると販売価格が高くて売れにくい」という事情があります。

そのため、中小のビルダー(地元業者でないことが大半)で、建築確認後に敷地を分筆し、違反建築を認識しながら販売する例があります。。

住宅ローンの貸し手側では、こうした違反を物件を避けるため、検査済証の提出を実行の条件にする、実行前に表示登記が建築確認と合致していることを確認するなどの対策をとることもあります。

なお、中古物件の売買で重要事項説明書に最低敷地面積の表示があり、それに抵触していたとしても、その敷地全部が条例制定前から建物の敷地として使われている場合は、再建築が可能なこともあるため、すべて取扱不可というわけでもありません。

【フラット35】の場合、敷地面積に制限はありません。

ただし、上記のような建築基準法などにより、地域によって敷地面積の下限が定められている場合は、基準に合致しているか建築確認済証で確認します。

A.B.I staff-EBINA

【フラット35】取扱金融機関代理店/A.B.I(株) 金融法人部 所属スタッフ 

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