借換えローンのチェックポイント

超低金利時代を境に増加した借換ローン

借換ローンは、超低金利時代に突入した1995年(平成7年)頃から銀行等の金融機関で大量に取り扱われ始めました。1982年(昭和57年)から始まった旧住宅金融公庫の段階金利が、高い金利に変わる時期とも重なります。当時は銀行等の金融機関は事業性融資が伸び悩んでいた時期でもあり、積極的に借換えを推奨し、融資条件も緩和してきました。

融資対象先は、すでに住宅ローンの返済実績がある顧客であり、積極的に推進できる先と評価されてきました。

  • 担保評価2~3倍まで可能となった要因

物件の審査については、バブル時代の不動産は大幅に値下がりしており、単純に評価するとローンの金額を下回るものがほとんどでした。そのため担保掛目も大幅に緩和され、担保評価額の2~3倍まで融資可能という借換えローンが増えました。さらに借入に伴う諸費用や、リフォーム資金までカバーできるなど、サービスも豊富です。

当初は上述の旧:住宅金融公庫の肩代わりが中心でしたが、現在は競合する金融機関間で金利差を見ながら借換えする人が増加しています。

金融機関がチェックするポイント

  • 既存ローンは住宅性資金であるか

借換ローンを申し込む際に必要となる資料は、住宅購入時の売買契約書と重要事項説明書、または新築時の請負契約書、登記事項証明書、既存ローンの返済予定表、返済用預金通帳等に加えて返済予定表・預金通帳などが必要となります。そして借換対象となるローン契約は、登記事項証明書に記載された抵当権に対応する金銭消費貸借契約であることが条件となります。住宅性資金ではないローンの借換えは対象外です。

住宅性資金でも、ノンバンクなどで借りているものは、訳アリ物件など銀行等の金融機関では条件をクリアーできないものの懸念があるため、申込人や担保物件の詳細など、より慎重に調べられることになります。

  • 返済実績に問題はないか

借換ローンは、当初借入時に金融機関の一次的な審査を経ているため、借換時の重要ポイントは、その返済実績を確認するところにあります。

・当初借入からの借入期間

既存ローンの借入から短期間で借り換えるというのは、費用の面でも損ですし、安易な選択にならないか検証が必要です。金融機関は、通常3年程度の返済実績がある債権を対象とします。

・延滞の有無

返済実績のなかでも、直近1年程度に延滞がないか、預金通帳の中身をチェックされることもあります。延滞の記録は、家計管理がずさんだったり、収入面で無理のある返済額であることが疑われます。延滞があったとしても、「資金は余裕があるのに、うっかりミスで預金の移し替えを失念していた」といった事実が預金残高等で確認できれば問題ないと思われますが、それが確認できない場合は「実質的に資金不足、返済能力に問題あり」として審査は通りません。

・借換えにメリットはあるか

借換えをすることで経済的なメリットにつながることが最重要ポイントです。借換えによる金利変動や費用の負担をシュミレーションして実際のメリットを金額的に確認することが大事です。

①金利の低下により借換え前よりも支払総額が減少する

②変動金利を固定金利に変更することにより、将来の金利上昇リスクを回避できる

③複数のローンを一本化することにより金利や事務的な負担を軽減することができる

④返済期間の延長により、毎月の返済額を軽減する

①②③は積極的な改善策として金融機関から評価されますが、④は負担の軽減が目的ですが、期間の延長で支払総額が減少するわけではありません。子供の教育費など当初借入時に予想していなかった出費が発発生した、または予想以上に出費がかさんだ場合などもあるでしょう。これは、「返済が厳しいために行うリスケ(条件変更)」とも考えられ、現在借りている金融機関に依頼するしかないものです。金融間としては申込人の信用情報と担保等を勘案し、判断することになります。

いずれにせよ、借換の申込にあっては、担保評価割れしている場合が多いので、収入の安定性が重視されます。

借換えによる効果(諸費用を含めた総返済額または毎月の返済額)は、借換時の住宅ローンの内容(金利、借入額等)によって異なります。借換えを検討する際には、住宅ローンシミュレーション等で確認しましょう。

  • 中古住宅ローンを併せて借換え

中古住宅の購入とリフォーム工事の資金を併せて借り入れた住宅ローンも借換えできます。

ただし、中古住宅の購入から2年以内にリフォーム工事が実施されたものに限ります。

  • 実際に有利な借換えを検討したい方に

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A.B.I staff-EBINA

【フラット35】取扱金融機関代理店/A.B.I(株) 金融法人部 所属スタッフ 

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