仮換地・保留地と住宅ローン

  • 仮換地とは

「仮換地」は、市街地開発事業のうち、整然とした市街地を造成するための土地区画整理事業において利用される制度です。

事業が完了すると、地権者には従来の土地の形質·位置等が変更になった新たな区画が「換地」として交付されます(換地処分)。

しかし、事業は数年にわたり実施されるため、換地処分が終了するまでには長い期間がかかります。この間、土地の使用収益ができないのは経済的な損失が大きいため、換地の造成が終了しているものを仮換地に指定し、使用収益ができるようにしています(土地区画整理法98条)。

  • 保留地とは

土地区画整理法第96条では、施行する土地区画整理事業の換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、又は規準、規約若しくは定款で定める目的のため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を「保留地」として定めることができる。とされています。

保留地は、将来的に事業主体が一般人に売却して、その売却代金を事業費用に充てることで原資とすることになります。

仮換地に対する権利設定

仮換地自体に権利の設定等はできず、換地処分が済むまで、権利の移転等は従前地で行います。例えば、従前地が1筆の土地で、換地処分後は3筆の土地になる場合でも、仮換地の売却などの権利関係移転の登記は従前地で行います。つまり、仮換地を購入した3人の所有権は、従前地に持分として登記され、抵当権等もその持分に設定されます。(従前地が位置指定道路で共有している場合等)

この場合、換地処分が行われると、3筆の土地それぞれに従前地の所有権持分·抵当権等の権利関係が自動的に移転します。そのため、土地をそれぞれの単独所有にし、抵当権は持分に対するものからそれぞれの各所有権に及ぶものに設定しなおす必要があります。

この手続きは、共有者全員で同時に実施しますが、換地処分が終了するまでには長期間かかるうえ、処分後すぐに全員の協力が得られるとは限りません。こうした管理上のリスクから、従前地が共有の仮換地は担保としないことが多いのです。

仮換地は処分時に事業の精算が行われますが、保留地の売却が事業資金予定額に満たないと、所有者に資金負担が生じる場合があることにも留意が必要です。

  • 仮換地・保留地

【フラット35】は、仮換地指定を受けている土地に住宅を建設する場合でも、ご融資の対象となります。仮換地指定(土地区画整理法第98条)を受けた土地に住宅を建設する場合は、当該仮換地の従前地に対して、住宅金融支援機構のために第1順位の抵当権を設定していただきます。
なお、従前地と仮換地が1筆・1区画に対応していない場合には、換地処分後に共有地の分筆登記及び抵当権の付替えが必要となります。

保留地については、資金実行後速やかに建物に第1順位の抵当権を設定し、換地公告後に速やかに敷地に第1順位の抵当権を設定することで融資対象となります。

※ 登記閉鎖期間中で資金実行後速やかに住宅金融支援機構のために第1順位の抵当権を設定できない場合は、融資金のお受取はできません。
※ 都市再生機構が施行する仮換地を除きます。 

➤ 融資に必要となる書類

・ 仮換地証明書

土地区画整理法による仮換地の指定がなされたことを証明する書類

・ 仮換地図

従前地と仮換地の位置。面積等が示された書類

A.B.I staff-EBINA

【フラット35】取扱金融機関代理店/A.B.I(株) 金融法人部 所属スタッフ 

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